この相談室を開設しようと思ったきっかけについてお話したいと思います。
少し長いですが、お読みいただけると幸いです。
それは、ある家庭裁判所の待合室でのできごとでした。
私は、ある事件の代理人として、依頼者の方と一緒に、調停の時間待ちをしていました。
調停での待ち時間は、単なる時間待ちではなく、依頼者の方と弁護士の作戦会議の時間になります。
つまり、さっきまで入っていた調停室での中のやりとりについて、依頼者の方と、今後の方針を決めるための話し合いをすることが多いのです。
一方、ご本人だけで調停を行うと、病院の診察室で待っているのと同じような、じっと待っているだけの時間になってしまいがちです。
この日も私は依頼者の方に、さっきの調停室でのやりとりについて説明し、今後の見とおしをお話したりご意見をうかがったりしていました。
待合室の向かい側に、一人の女性が座っていました。
この方は、ご本人で調停をされているご様子で、待合室でもお一人でした。
私も、この方がいらっしゃることには気がついていました。
しかし、依頼者の方の手続きをどのように進めていくかの話をしていましたので、この方のご様子について、特に注目することもありませんでした。
ところが、私の依頼者の方が用事のために一度待合室を離れられた際、この女性の方が私に声をかけてこられたのです。
「やっぱり、弁護士さんに頼んだ方がいいのでしょうか。」
お話を伺うと、調停をしているが、調停委員の言うことがよくわからず、うまく手続きが進まない、私と依頼者の方のやり取りをそれとなく聞いていたが、話がわかりやすかったから少し相談に乗ってほしい、ということでした。
私としては、その場は依頼者の方のための時間ですから後日ゆっくりご相談を伺います、と申し上げました。
その後、この女性の方からご連絡があり、ご相談をうかがうことになったのです。
(続く)